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蜻蛉日記

蜻蛉日記解説


この本は、アテネ文庫という大変薄い文庫本で、戦後の紙の無い時代に、文化芸術などについての本を沢山発行していた中の一冊です。表紙のデザインがステキなので、古書店でジャケ買いしました。

私の持っているのは、古典解説シリーズ、蜻蛉日記の解説書です。
教科書を斜め読みするだけでは分からなかった、女心の複雑さを懇切丁寧に読み解いてくれています。


「蜻蛉日記」というと、多分高校の古典の授業でさらっと触れるくらいで、内容についてはあまりご存知無い方も多いと思うのですが、作者は藤原道綱母と言い、藤原兼家の妻の一人で、和歌に優れ、大変才色兼備な方だったそうです。

この作品は後の女流文学にも大きな影響を与えた、回想形式の日記文学なのですが、書かれている事は、折々の生活と、和歌、そして夫である兼家に対する恨みつらみに満ちています(>_<)

なんと言うか、元祖ツンデレって感じですかねぇ。

二十歳前後の頃、当時二十六歳の青年貴公子兼家から贈られる熱烈な文にはツレナイ返事。
周りのとりなしもあり、ようやく結婚したものの、当時は妻問い婚の上、兼家の妻や女は複数いるので、なかなか自分の元へ訪れてはくれない。

毎日毎日、今日は兼家が来てくれるかと期待しているのに、いざ「今晩都合はどうか?」と打診されると、へそを曲げて返事も出さない。

やっと兼家が訪れると、やれ忙しいとか具合が悪いと言って相手にせず、その意固地さに兼家が根を上げて退散すると、また気持ちは一転して「今日は来るかしら、今日はどうかしら」と身を揉んで嘆くさまは、ああ、この人の不幸は自らの中に有るのねぇ、と変にしみじみしてしまいます…。

兼家の愛人の一人が、彼の寵愛を失って凋落しているという話しを聞いた時、彼女は「自分よりもっと悲しんでいるかと思うと、胸がすっとする」と言い放ち、少し怖いです。

何とも、女の情念が渦巻くと言う点では一読の価値がある日記文学ですよ。
そして彼女の妹の娘は「更級日記」を書いた菅原孝標女ですが、彼女は十三歳から五十二歳くらいまで日記を付けていました。
これもちょっと凄いですね。血筋というものでしょうか。




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