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淑女的浪漫風

淑女のあれこれ

カテゴリー「文学」の記事一覧

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ちょっと怖いわらべ歌

You Tubeで、昔放映されていたアニメの「日本昔ばなし」を見ていました。
意外と怪奇譚というか怖い話が多いんですよね、あれ。
民話調の絵ですが、今の子供達が見ても十分楽しめる作品だと思います。

外国の童話も、元を辿ると結構怖い話だったり、その国の黒歴史なんかが隠れているものです。
「白雪姫」に出てくる、森の中の七人の小人も、実はその外見ゆえに、里のコミュニティから排除され、森の中に隠れ住むしかなかった人々だったのでは、なんて説もあったりなかったり。

わらべ歌の「数え歌」や「手毬唄」にも、探してみると何やら不穏なものがありますよ。
横溝正史の世界ですねぇ。

未来社「日本の民話」武蔵の部に収められている手毬唄は、童女が歌うには生々しい言葉がちらほらします。
現代では、まぁ歌われないでしょうねぇ。大体、毬つきなんてしないかな。

ちょっと抜粋してみますね。

未来社「日本の民話」6武蔵の部
手毬唄より抜粋

向こう通るは だれかさんじゃないか
可愛いだれかさんは こせこが上手
舟を作りて せきしょを植えて
せきしょ実がなりゃ だれかさんがはらむ
ここで産ましょか 筑波へやろうか
筑波いやいや 菜畑のかげで
蕪を枕に 菜の葉をかげに
蕪はしおれる 菜の葉は枯れる
そこでだれかさんは 江戸にまいる
江戸の土産に なんとなにを貰った
一に香箱 ニにまた手箱 三に指し櫛 四しゃくのかもじ
入れて結わせて 後ろから見れば
ほんにだれかさんの女房のようだ
 まず一貫貸しました。


他にも「売られる」だの「請けられた」だのが有りまして、当時の少女達の行く末が案ぜられます。
「こせこ」の意味が私には分からないのですが、「しゃくのかもじ」は獣毛で出来たかもじの事で、粋なお姉さん達が髪をふくらませるのに入れたものです。

さて、70年台の頃、道南に住んでいた私も、近所の女の子達と変な数え歌で遊んでいましたよ。ただ数えながら手遊びをして、最後にじゃんけんするだけの歌なんですが、アレも考えてみると変な歌詞だったなぁ。
こんな歌です。

一つ二つの赤ちゃんが
三つミカンを食べ過ぎて
四つ夜中に腹痛み
五ついつものお医者さん
六つ向かいの看護婦さん
七つなかなか治らない
八つやっぱり治らない
九つこの子はもうダメだ
十でとうとう死んじゃった
十一葬式そのあとで
十二お墓に埋められて
十三お墓で幽霊が
ドロドロドロドロじゃんけんしょっ!


十までは数え歌なんですが、そのあとは数と関係が無いし、誰かが勝手に増やしたのかもしれません。
こんな縁起の悪い歌なのに、子供の頃は全然気にしていないんですよね。世間知らずゆえの怖さ知らずでしょうか。

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ノラや

今日は、2月22日なので「猫の日」なのだそうですね。
どこかで、何かイベントでもあるのでしょうか?

「猫の日」にちなんで猫の本を一冊ご紹介しましょう。
ご存知の方も多いかと思いますが、内田百閒氏の「ノラや」です。

内田百閒は、黒澤明監督作の映画「まあだだよ」に取り上げられた、夏目漱石門下の気難しい文豪ですが、自宅の庭に遊びに来るようになった野良猫の母子の子供のほうが、すっかり奥様になついてしまい、乳離れした後は、この文豪の家で、まさに猫かわいがりされて暮らすことになります。

百閒先生は、野良猫だから「ノラ」と、この雄の子猫に名前を付け、最初は食べ残しの魚の頭などをくれていたのが、その餌は次第に贅沢に変わり、チーズになり、鯵になり、鮨屋の玉子焼き、プリンとエスカレート(笑)

そしてすっかり百鬼園(内田百閒邸)でぬくぬくと暮らしていたノラですが、二度目のサカリを迎えた時、外へ出たっきり戻らなくなります。

ノラがいなくなった淋しさと心配で、百閒先生は狼狽し涙を滂沱に流し、新聞に尋ね猫の広告を出し、外国人に保護されているかもと、英語でも告知を出し、ノラやノラや、と呟きながら毎日を泣き暮らすのです。

この辺り、読んでる方も泣き笑いです(>_<。) 電車の中などでは、読まない事をオススメします。

その後、百閒夫妻は、ノラの事は諦めはしないものの、ノラに良く似た若い雄の野良猫の面倒をみるようになり、彼は「クルツ」と名付けられました。
このクルツも、鰈の刺身なんかを頂けるようになるんですよ。贅沢なぬこだ。

そしてクルツとも、いつかは別れが来るのでした。
この作品は、日本で初めてペットロスを赤裸々に記した本なのではないかと思います。

百閒先生の弟子たちは、いつもは厳しい先生が、野良猫がいなくなった事で毎日泣いているという事実に、びっくり仰天したみたいですね。
猫好きの方には、是非一度お読みいただきたいと思う本です。

ところで、このノラとクルツ、しっぽの長さや形については細かく描写されているのですが、普通目に付く、彼らの毛色などについては何も書かれていないんですよね。

わざわざ書くまでもない、日本猫らしい猫だったとしたら…ブチかサバトラかなぁ、なんて思うのですが、どうでしょうか?


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蜻蛉日記

蜻蛉日記解説


この本は、アテネ文庫という大変薄い文庫本で、戦後の紙の無い時代に、文化芸術などについての本を沢山発行していた中の一冊です。表紙のデザインがステキなので、古書店でジャケ買いしました。

私の持っているのは、古典解説シリーズ、蜻蛉日記の解説書です。
教科書を斜め読みするだけでは分からなかった、女心の複雑さを懇切丁寧に読み解いてくれています。


「蜻蛉日記」というと、多分高校の古典の授業でさらっと触れるくらいで、内容についてはあまりご存知無い方も多いと思うのですが、作者は藤原道綱母と言い、藤原兼家の妻の一人で、和歌に優れ、大変才色兼備な方だったそうです。

この作品は後の女流文学にも大きな影響を与えた、回想形式の日記文学なのですが、書かれている事は、折々の生活と、和歌、そして夫である兼家に対する恨みつらみに満ちています(>_<)

なんと言うか、元祖ツンデレって感じですかねぇ。

二十歳前後の頃、当時二十六歳の青年貴公子兼家から贈られる熱烈な文にはツレナイ返事。
周りのとりなしもあり、ようやく結婚したものの、当時は妻問い婚の上、兼家の妻や女は複数いるので、なかなか自分の元へ訪れてはくれない。

毎日毎日、今日は兼家が来てくれるかと期待しているのに、いざ「今晩都合はどうか?」と打診されると、へそを曲げて返事も出さない。

やっと兼家が訪れると、やれ忙しいとか具合が悪いと言って相手にせず、その意固地さに兼家が根を上げて退散すると、また気持ちは一転して「今日は来るかしら、今日はどうかしら」と身を揉んで嘆くさまは、ああ、この人の不幸は自らの中に有るのねぇ、と変にしみじみしてしまいます…。

兼家の愛人の一人が、彼の寵愛を失って凋落しているという話しを聞いた時、彼女は「自分よりもっと悲しんでいるかと思うと、胸がすっとする」と言い放ち、少し怖いです。

何とも、女の情念が渦巻くと言う点では一読の価値がある日記文学ですよ。
そして彼女の妹の娘は「更級日記」を書いた菅原孝標女ですが、彼女は十三歳から五十二歳くらいまで日記を付けていました。
これもちょっと凄いですね。血筋というものでしょうか。




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本の検印

いつだったか、ネット上で「古本を買ったら蔵書票が貼ってあった!」と喜んでおられる方の書き込みを発見し、おお、それはスゴイと思い画像を拝見したところ、それは蔵書票ではなくて、版権所有者の検印だった事がありました。

今現在出版されている本には、後ろの奥付を見ると、出版社のロゴマークが印刷してあるか、もしくは「検印廃止」とそっけなく印刷されているだけですが、昔の本には一冊ずつ判子を押した紙が貼られていたものです。

例えば、これは田山花袋著「東京の三十年」に貼られている検印です。ちゃんと「花袋」と印影が読めますね。

田山花袋検印


まさか作家自身が一冊ずつ貼り込むとは思えないので、出版社の方で管理していたのでしょうが、作家本人の判子が押されているって、なかなかいいものですよ。

今はあまり人気がないですが、ドラマにもなった「花の生涯」の作者、舟橋聖一の「ダイヴィング」(1947年)の検印は、雪花のデザインの上に押印されていてお洒落です。
出版した實業之日本社のデザインかもしれませんが。

舟橋聖一検印


蔵書票のコレクターは沢山おられますが、版権所有者の検印コレクターは、あまり聞いたことがないですね。
集めてみると面白いかもしれません。








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白描の枕草子

映画の「源氏物語」の評判は、どうだったのかと思いながら、また絵巻物の紹介です。
今回は、紫式部とは、とかく因縁があったという伝承が有名な、清少納言の「枕草子」です。

こちらは源氏物語の絢爛な絵巻物と異なり、白描絵巻と呼ばれる、線画だけのものが残されています。


枕草子

鎌倉時代 14世紀 枕草子




彩色されないシンプルな線画ながら、髪の毛の流れる様など、優美な様式美が完成されていたのが分かりますね。真っ直ぐな長い黒髪を愛でる文化は、この時代の日本独特のものではないでしょうか。


白描の方が、線の美しさが際立ちますね。


隆房卿艶詞絵詞

鎌倉時代 14世紀 隆房卿艶詞絵詞



文様のように端正な、長い黒髪の上にこぼれる白い花びらが可憐です。
こういう表現は、今も連綿と少女漫画などに引き継がれているような気がしてなりません。






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